「ストーリーテリング」という言葉を聞いたことありますか?
実はストーリーテリングって、映画・漫画・小説などでも使われてるくらい古典的な「型」とも言えます。
商品・サービスを売る、自分のファンを獲得する、相手に行動してもらう、ありとあらゆるビジネスの場面において「ストーリーテリング」は必要不可欠。
今回は、そのストーリーテリングの事例や使い方を紹介していきます。
目次
ストーリーテリングとは?
じゃあそもそも「ストーリーテリングの定義」とは何か?
ストーリーテリングとは?
「ストーリーテリング」とは、伝えたい思いやコンセプトを、それを想起させる印象的な体験談やエピソードなどの“物語”を引用することによって、聞き手に強く印象付ける手法のことです。抽象的な単語や情報を羅列するよりも、相手の記憶に残りやすく、得られる理解や共感が深いことから、企業のリーダーが理念の浸透を図ったり、組織改革の求心力を高めたりする目的で活用するケースが増えています。
引用元:コトバンク
簡単に言うと、「ストーリー」を使うことで相手の記憶や感情に訴えかけやすくなる、というもの。
映画・漫画・小説などに僕らが惹き込まれる理由は「ストーリーテリング」の力だからです。
ドラゴンボールやワンピース、スラムダンクなどの少年漫画はわかりやすいですね。
物語の主人公が困難を乗り越え、仲間たちとの出会いや別れを経て、成長して、目的を果たしていく、その過程に僕らは心を動かされます。
もし主人公が最初から強くて、簡単に敵を倒してしまうようなストーリーだったら面白くないですからね(笑)
ストーリーテリングの重要性
例えば、あなたの自宅に営業マンが飛び込みでやってきて、

・・と、論理や理屈であれこれ説得させられても、全く心は動かないですよね。
なぜならイメージが全くできないからです。
そもそも商品について全く興味ない段階で、「◯◯産、糖度◯%、◯◯円」という機能やスペックの話をされても「自分には関係ない」と思ってしまうので、話が入ってきません。
あなたも興味がないのにどうでもいい話をウダウダされたら「考えておきます」「とりあえず今はいいです」と断るのが普通です。
では、リンゴを「違う切り口」で営業してみたらどうなるか?

お子さんの健康で悩むお母様方からは、「子供と一緒に美味しいリンゴを食べながら家族団らんの時間が過ごせています」と喜びの声をたくさん頂いています。
みたいな話をしたほうが、心や記憶に残りませんか?
少なくとも「健康意識が高い人」「子供の健康を考えてる人」にとっては、他人事には思えないはずです。
実は、脳科学の研究でも「人間は論理ではなく、感情で動く」ということが解明されています。
つまり商品機能やスペックよりも、「具体的なストーリー」として商品を使った後の変化や未来をイメージさせられると、心や感情が動きやすいんですね。
ストーリーテリング3つの事例
「ストーリーテリング」について非常に勉強になる3つの事例を紹介します。
それぞれ種類は違いますが、どれも本質や考え方は同じだということを念頭に見てみてください。
①進研ゼミ

進研ゼミはストーリーテリングを非常に上手く活用しています。
勉強嫌いの子供たちにいかに勉強を好きになってもらうか?←これを漫画で解決したんです。
「昔ダメダメだった学生が、進研ゼミをキッカケに、勉強も部活も恋愛もすべてうまくいく」というサクセスストーリーは、定番ですよね。
これを読んでいくうちに、「自分も勉強したら漫画の主人公みたいになれるのかな?」と自分と漫画の世界を重ね合わせてしまうので、心や感情が動かされてしまうんですね。
事例②:植松努さんスピーチ(TED)
北海道の小さな会社の社長である植松さんが「夢を持つことの大切さ」を自身の経験に基づいて、TEDでスピーチしたときの動画です。
植松さんの話は、大人や子供も含めて、誰もが共感してしまうような話になっています。
心が動かされるようなスピーチも実は、ストーリーテリングの構成に当てはまった内容になっているんですね。
事例③:テレビショッピング
テレビショッピングも「ストーリーテリング」の題材として、かなり参考になります。
「過去→未来」の構成とは少し違いますが、よく見てもらうとわかるように「愛用者の声」「ジューサーを実際に使ってるシーン」などの映像がよく使われています。
- 「美味しい!」と笑顔で飲んでる街の人や子供たち
- 色とりどりの体に良さそうな野菜が手軽に摂取できる(というイメージ)
これは「このジューサーを手に入れると、どんな未来が手に入るのか?」という疑似体験(ストーリー)に視聴者に訴えかけているんですね。
ストーリーテリングをWEBマーケティングに活かすやり方
ただ、「ストーリーを語れ」と言われても、難しく考えてしまうかもしれません。
だけど、上記の記事にも書いてるようにストーリーテリングには「型」があります。
簡単にストーリーテリングの型をお伝えすると、
- 過去にどんな問題や悩みを抱えていたか?
- どんなキッカケがあってその問題を解決したか?
- その後、どんな変化やライフスタイルが手に入ったか?
文章を書く時やプレゼンする時でも、基本はこの「型」をベースに考えればOKです。
「過去→未来」への過程をストーリーで伝えることができれば、それだけでストーリーテリングは完成します。
ここで重要なのは、伝える相手に合わせた「ストーリー」を作らなければいけないということ。
ただ自分の言いたいことばかりで、聞き手に全く関係のない話であれば、それはストーリーテリングの意味を成しません。
例えば、自分自身がスポーツトレーナーとしてダイエットノウハウを教えていきたいのであれば、一番効果的なのは「自分自身のダイエット経験(ビフォー・アフター)」を語ること。
あるいは、「お客様のダイエット経験(ビフォー・アフター)」を語ること。
- 自分も(他のお客様も)あなたと同じように◯◯で悩んでいたんです。
- でも、◯◯がキッカケでダイエットに成功できました。
- そのおかげで、今はこんなに楽しく、充実した人生が送れるようになりました。
という風に、自分やお客様のストーリーを語るからこそ、同じような悩みを持ってる人は疑似体験をして、感情が動かされるんです。
まとめ
このストーリーテリングの型は、ビジネスやコミュニケーションなど、ありとあらゆる分野で使えます。
なぜなら根本は「人の心や感情が動く原理原則」なので、正直なところ集客でもセールスでも教育でも、本質は変わらないからです。
むしろストーリーテリングじゃないと人の心は動かせないと言っても過言ではないくらい、王道的なやり方なのでぜひ活用していきましょう。