
このように、自信のなさからお金を頂くことに抵抗を感じて、ずーっと売上が作れないまま起業準備中の方は少なくありません。
僕も色んな方の起業相談に乗ってきましたが、意外なことに能力が低い方ではなくて、むしろ能力がある方ほど、このようなネガティブな心理状態に陥っています。例えば、、、

と僕から客観的に見て感じるような人でも、

と、めちゃめちゃ自己評価低いせいで、動けないままの方って意外に多いです。
あるいは、ある一定の成果は出ているのに「まだまだ足りない」と、素直に喜べずにいつもマイナス思考になっている方もいます。
ストイックなのは素晴らしいのですが、ずっと成果を追い続けても満足できないならキリがないですよね…。
調べてみると、「この成功や実績は、私の力ではない。マグレか周りのおかげ」と、常に自分を信じることができない状態のことを「インポスター症候群(詐欺師症候群)」と呼ぶそうです。
(てか「詐欺師症候群」…って、すごい名前ですねw)
そんなわけで今回は、この「自己評価の低さ」のせいでセールスやビジネスに自信を持てない方のために、原因や対策をお伝えしていきます。
目次
インポスター症候群(詐欺師症候群)とは?

インポスター(Imposter)という言葉は、「詐欺師」「偽物」という意味です。
つまり、私は周囲を欺いているのではないか?と常に自分を卑下してしまう症状を指します。
インポスター症候群の特徴(自覚症状)
インポスター症候群の方には以下のような自覚症状がある、と言われています。
- 「自分の実力のなさがいつか周囲にバレるんじゃないか」といつも不安
- 「自分はきっと失敗する」「どうせやってもダメなんだ」と最初からネガティブ
- 失敗すると「ほら、やっぱり私はダメだ」とさらに失敗を肯定する
- もし成功していても「まぐれだ」「自分の実力ではない」とマイナスに変換する
- 周囲から評価されても「嘘だ」「お世辞だ」と素直に受け取れない
ポイントとしては、謙遜しているわけじゃなくて、本気で「自分はダメだ」「自分は周りを欺いている」と思い込んでいる点です。
つまり、自分のことを客観視できずに、ただただ自己評価が低いことが前提ですべての物事を見てしまっている。
これをビジネスやセールスに当てはめると、
- サービスを安売りしてしまい、忙しいけど売上が伸びない
- クレームや批判を恐れて、商品を売ることができない
- まだ実力が足りないから、とずっとボランティアでサポートしてしまう
- 私は成功するのに相応しくないから、と出来ない言い訳ばかり考えてしまう
みたいな状態に陥ってしまうわけですね。
インポスター症候群(詐欺師症候群)の原因とは
インポスター症候群の原因として、子供時代の教育や現代の社会環境が影響している、とも言われています。
例えば、
- 子供のころに仲間外れやイジメに遭った
- 失敗したときに周囲から馬鹿にされて恥をかいた
- 嫉妬や妬みを買ってしまい攻撃に遭った
- 「こうでなければいけない」と親や先生から押さえつけられてきた
- ダメ出しばかりされて褒められることが全くなかった
- 周りと同じことをするよう強制されて個性を出さないようにしてきた
このような経験に強く影響を受けている方ほど、「自分は人よりも劣っている」「自分は目立ってはいけない」という思い込みが強化されてしまいます。
有名人でも悩んでいるインポスター症候群(詐欺師症候群)
実は、有名人でもインポスター症候群に悩まされる人って多いんですよ。
- エマ・ワトソン(ハリウッド女優)
- ジョディ・フォスター(ハリウッド女優)
- シャーリーズ・セロン(ハリウッド女優)
- アインシュタイン(物学者:お笑い芸人じゃないほう)
- ミシェル・オバマ(元大統領夫人)
- スティーヴン・キング(作家)
- 夏目漱石(作家)
などなど、え?こんなに大成功を収めているのに?…という方ばかり。
世間的には成功してるように見えていても、本人が見ている世界は全く違うということですね。
これ、起業の世界でも一緒なんですが、一見成功してそうな人でも自分に自信が持てない人って少なくありません。
そして、その自信のなさを数字や実績で、溝を埋めようとします。
だけど、いくら稼いでも上を目指せばキリがないので、「自分はあの人より劣っている」「まだまだ足りない」と、自分を一生認めることができないんですよね。。
つまり、お金を持っているとか、実績があるとか関係なく、自己肯定感が低い人は誰もが共通している悩みなんです。
インポスター症候群(詐欺師症候群)の克服方法は?
ちなみにですが、「インポスター症候群」の事例に当てはまると言って、

と必要以上にネガティブにならなくていいです。
「インポスター症候群」は病気ではありません。
つまり「こういう傾向があるよね」というものであり、沁みついた思考の癖みたいなものです。
自分の能力が劣っているのではなく、「”偏った思考パターン”にハマってるだけなんだ」と気づくことが大事なんです。
その思考パターンに振り回されないように、客観的な事実、適切な対応策を知っておきましょう。
真の詐欺師はそもそも「私は詐欺師かも」と悩まない(と知る)
まず大前提として、詐欺師は「私は誰かを欺いてるかもしれない…私は詐欺師かも…」なんて思いませんw
「詐欺」だとわかってて、平気でやれちゃうから詐欺師なんです。
お客さんのことを真剣に考えて、自分は本当に役立てるのか?と悩みすぎる人ほど、サービスを世に出すことを躊躇うので、いつまでもお客さんに認知されません。
一方で、詐欺師は商品のクオリティなんておかまいなしに、「あなたもこれで大成功できます」と誇張して、自信満々にガンガン売りまくります。
すごく残念な話ではありますが、結果的に儲かるのはクオリティの低い商品を売っている詐欺師のほうです。
これってすごく馬鹿らしいじゃないですか。
「自分は詐欺してるかも…」と悩んでる間に、あなたの力を本当に必要としてる人達が、詐欺師に騙されるかもしれないんですから。
だから、不安になってしまった時こそ「自分は良い仕事をしたいんだ」「誰かの役に立ちたいからだ」という気持ちの表れなんだと気づいてください。
目標のハードルを下げて行動する(脱・完璧主義)
インポスター症候群の人は「完璧主義者」とも言われています。
目標や理想が高すぎるが故に、「そこに到達できていない自分はダメなんだ」とレッテルを貼ってしまう。
目標を立てることは悪くないと思いますが、それが現実的に実行できるかは、別の話です。
例えば、1日3時間しか自分の時間が使えないのに、
- ブログは1日1記事は絶対に書かないといけない
- インプットのために最低1冊は本を読もう
- 資格勉強もしよう
- 筋トレもやろう
と、目標を決めたのは良いけど、そもそ3時間で全部できる量じゃないなら、絵に描いた餅じゃないですかw
これは目標が達成できない自分が悪いというよりも、「目標にそもそも無理があった」というほうが正しいわけです。
完璧主義な人って、意外なことに「自分はここまで出来るんだ」という過信に陥っている人も少なくないんですよ。
でも、明らかに自分のキャパを超えていることは、どんなに気合をいれて頑張っても無理なものは無理。
だから敢えて、最初から自分に期待しない、という考えも持つのも1つです。
高い目標を立てて挫折しているくらいなら、確実にこなせる目標を1つ1つ設定して、着実にクリアしていくほうが達成感が得られますから。
完璧主義の克服方法については、下記の記事でも書いているので併せて参考にしてみてください。
自分を評価してくれる人間関係、環境に身を置く
自分を正しく評価できていない人って、人間関係や環境があまりよろしくないケースもあります。
- 他人の悪口や噂話しか言わない人間関係
- 努力を正当に評価しない職場環境
- 部下を良い所を見ようとせずケチをつけてくる上司
- 新しい挑戦を邪魔しようとする親や古い友人
こういう環境いると、そら挑戦することも億劫になるのは当然です。
だからこそ、環境や人間関係を変える必要があるんです。
僕もフリーター生活しながら独学でビジネスを学んでいた時は、「自分にできる」なんて1㎜も思えなかった。
ましてや起業しよう、ビジネスをやろう、と思っても周囲に理解者がいないと相談もできない。
一人で、無料情報調べたり、本買って読んで勉強しても、「この方向性で合ってるのかなぁ」「自分にはやっぱり無理じゃないかなぁ」と、正解がわからないから不安ばかりが募る。
でも、日常を飛び出して、ビジネスを学ぶために起業塾に入ったら「当たり前の価値観」が変わったんですよ。
誰も挑戦を否定しない、努力を応援してくれる、それぞれが目標に向かって頑張っている、正しい道筋を示してもらえる。
そんな環境だからこそ、「自分にもできそうかも…」と、ちょっとずつ自信がついてきたんですよね。
自分で「できるできるできる!」と無理して言い聞かせるよりも、客観的なフィードバックを受けるほうが効果絶大でした。
周りからかけてもらう言葉だったり、正当に評価してくれる環境にいたほうが、自然に自信はついてくるものです。
なにが不安の根本原因なのかを明確にする
- 自信がないから行動できません
- 私は実力が足りないからビジネスを始めるのは早い
- 実績がないので自分に稼げるとは思いません
みたいに不安になる気持ちはたしかにわかります。
…が、多くの人が抜けている視点が「不安がブラックボックス化」していることです。
例えば、
- 例1:自信がないから行動できません
そもそも自信の定義ってなに?
なんの条件が満たせたら自信になるの?
- 例2:私は実力が足りないからビジネスを始めるのは早い
実力が足りないって何と比較してるの?
その実力は具体的にどこが足りていないの?
- 例3:仕事が忙しくて副業している暇がありません
仕事が忙しいってどれくらい忙しいの?
忙しい中でも副業の時間を確保するために出来ることはないの?
みたいに、「不安の正体」がなにか自覚できていないまま、漠然と悩んでいる人が多いのです。
実際に、

と起業準備中の主婦さんから相談を受けたことがありましたが、本当の問題は「自信がないこと」ではありませんでした。
単純に、「知識がないから、具体的に何をやればいいのか方法がわかっていない」のが動けていない理由だったのです。
「動けない原因」を「自信がないからだ」と、自分で勝手に誤変換したことが問題だったのです。
具体的なノウハウを学ぶ、正しいやり方を教われる人を探す、やるべきことはこれなんです。少なくとも、
- 成功マインドを手に入れるセミナー
- ありのままの自分を受け入れるスピスピ講座
などを受けても、自信は手に入りませんし、何の問題解決にもならないのですw
だからこそ、まずは不安の正体を明確にすることです。
不安の正体がわかれば、冷静に今何をすべきか、自分は何を心配してるのか、本当の原因や対策が見えてきます。
「価値」=経験値、技術力、知識量だけではない
価値が高い=業界での経験値、ノウハウや技術力の高さ、知識の豊富さ だと考えてる方もいますが、これってキリがないわけです。
もちろん、ないよりもあったほうがいいですが、「価値が高い」というのは人によって捉え方が違うんですよね。
例えば、
- プロアスリートを育てた鬼コーチが教える理論派スパルタテニス
- 子供でもおじいちゃんでも楽しみながら上達できる初心者専門テニス
この2つを比べたときに、能力の高さでいえば前者の「理論派スパルタテニス」を教えるコーチでしょう。
だけど、テニスを知らない子供やおじいちゃんからすれば、鬼コーチの理論派スパルタテニスは、ハードルが高すぎて億劫なんですよねw
普通に考えれば、子供やおじいちゃんたちは技術力の高さよりも、わかりやすさ・楽しさに「価値」を感じます。
つまり「何を価値とするか」は相手や状況によって変わるということ。
ここがわかっていないと、「もっと技術を磨かないと!」「もっと勉強しないと!」と、求められてもいないのに、勝手に自分で自分を追い込んで疲弊していくだけです。
意味のない他者比較をし続けて、自信を失うだけです。
あなたがこだわっていることは、誰にとっての価値なのか?誰が決めた価値なのか?
勝手に自分のモノサシだけで、価値があるないを判断していないか?
だからこそ、今日お伝えした
- 真の詐欺師はそもそも「私は詐欺師かも」と悩まない(と知る)
- 目標のハードルを下げて行動する(脱・完璧主義)
- 自分を評価してくれる人間関係、環境に身を置く
- なにが不安の根本原因なのかを明確にする
このポイントを大事にして頂きたいなと思います。
繰り返しますが、「インポスター症候群」は病気ではありません。
「こういう傾向があるよね」というものであり、沁みついた思考の癖みたいなものです。
自分の能力が劣っているのではなく、「”偏った思考パターン”にハマってるだけなんだ」と気づくことが大事なんです。
その思考パターンに振り回されないように、客観的な事実、適切な対応策を知っておくことが必要です。