個人がブランディングをする上で、「USP」という概念が当たり前のように浸透しています。
USPとは「Unique Selling Proposition」の略。
Unique→独特な、Selling Proposion →売れる提案 という意味ですね。
独特な切り口で、独自のポジションを作るためにUSPを考えようとする人達が多いんですが、僕はそれだけでは勝てないと思っています。
むしろ大事なのは、USPじゃなくて『MSP』です。
MSPを理解することで、実績や数字に頼らなくても等身大の自分を武器にブランディング構築が出来てしまいます。
概念を話すだけで1日セミナーが出来てしまうくらい説明が難しいですが、
出来るだけわかりやすくMSPの概念について解説していきます。
補足動画はこちら
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USPによる弊害とは?
USPによる独自の切り口でサービスや商品を出してる企業は沢山います。
Fedex(世界最大の航空貨物輸送会社)→「絶対に、確実に、一晩で」
M&M(チョコレートメーカー)→「お口で溶けて手で溶けない」
ドミノ・ピザ(宅配ピザ)→「30分でお届けします」
独特で、新しい切り口を作ることで、商品やサービスの独自性を打ち出すことが出来るだけでなく、
他者と比較されても、独自性ある提案を打ち出してるところは、認知もされやすいし、ブランディングも確立出来ます。
ただこのUSPの概念を個人ビジネスに持ち込もうとした結果、残念な結果になってしまってる人もいます。
こちらの記事でも書いてたんですが、ブランディングで差別化をするためにUSPを意識しすぎた結果、
変な肩書きの起業家やブロガー、発信者が増殖しています。
- わくわくクリエイター
- ライフスタイルクリエイター
- 夢発見コーチ
- 自分軸発見コーチ
- ハッピーコーディネーター
- 引き寄せ集客コンサルタント
- 見込み客リストマネジメントコンサルタント
- ハイパーメディアクリエーター
- エバンジェリスト
- 幸せライフプランナー
- 勝ち組戦略コンサルタント
- ポジティブマインドセラピスト
- ライフビジョンデザイナー
- インテリジェンス○○
- ◯◯アクティビスト
- 起業家のためのセルフプロモーションマーケティングヒットメイクコンサルタント(長いww)
これ実際に実在する肩書きですw
もちろん、USPを意識して肩書きを作ることは悪いという話ではないです。
ただし、そのサービスが市場で求められてるかどうか、需要があるかもわからないまま、
とりあえずネーミングだけ目立たせようとしてるなら全く意味がありません。
機能性や利便性だけの情報には価値がない
今の時代(先進国)は「良い物だけでは売れなくなった」とも言われています。
市場が成熟期に入っているので、個人が起業したり情報発信する上でも、
機能性とか、利便性とか、ただの良い話をただ語ってるだけでは、誰も興味もってくれないんですよね。
ダイエットで痩せる方法、物を安く買う方法、節約する方法、お金を稼ぐ方法、ブログを作る方法。
グーグル先生に聞けば誰でも調べることができます。似たようなノウハウを教えてる人達は沢山います。
もう既に世の中には沢山の情報が溢れていて、手に入らない情報なんてほぼないはずです。
情報量や知識量だけで勝負しようとも思ったら、後発組は100%不利です。
実績や知名度がある人でないと生き残れません。
だから個人がブログやメディアを持ってビジネスを展開しようと思ったら、
機能性や利便性だけを追求してはいけないんです。(ないよりあったほうが絶対いいですが)
USPを超越するMSP
MSPとは?
じゃあ、どうすればいいのかというとお察しかもしれませんが、
MSP=Me Selling Proposition という概念を理解することです。
Me→私の、Selling Proposion→売れる提案 という意味になりますが、これだとよく分からないですよねw
USPはどちらかと言うと、機能性や利便性などの機能的価値に焦点が当たっています。
一方で、MSPは機能的価値ではなく、自分自身を売る。すなわち人間的価値に焦点が当たってるんです。
何を売るかではなく、「誰」が売るのか(発信してるのか) ← ここが重要なんです。
タワマン vs 田舎暮らし
ビジネスを教えるという活動を1つ例に挙げても、
タワマンに住んでる月収1億円プレイヤーだけがブランディングを確立できるわけじゃないです。
週2日くらいの作業時間だけで月収30万円をビジネスで稼ぎながら、
家族とのんびり田舎で暮らしてる人だって十分にブランディングが確立出来るんです。
なぜ田舎でビジネスをするのか、ビジネス×農業の話、家族との時間をどうやって作るかとか、
田舎暮らしをしてる等身大の自分のメッセージでしか語れない切り口でビジネスを教えることが出来ます。
そうすれば、田舎暮らしに憧れてて脱サラしたい都会に住むサラリーマンとかは、絶対に共感するはずです。
ノウハウや情報の差だけで勝負しようと思っても勝てないかもしれません。
実績や知名度だけで勝負しようと思っても見劣りするかもしれません。
だけど、現代に生きる人達の興味・関心は多種多様です。
ライフスタイル、趣味、価値観、を一括りには出来ないんです。
だからこそ、自分のライフスタイルや価値観、理念を打ち出して、それに共鳴する人達を集めればいい。
むしろ、ここをしっかり打ち出せれば、競合さえもいなくなるわけです。
だって、あなたのライフスタイル、価値観、理念に共感したから教えて欲しい、会いたい、となりますから。
ライバルは真似が出来ません。
それを無理して毎月海外旅行だぜ!ベンツ最高だぜ!みたいな身の丈に合わない発信をしてると、
全然刺さらないメッセージになるし、よくいる胡散臭い人と同じ扱いになるわけですね。
大事なので繰り返しますが、
なぜそれを発信してるのか?どんな想いでビジネスをしてるのか?
それを伝えるに至った背景はなにか?どんな理想の未来を体現してるのか?
MSPはあなたの価値観や理念、ライフスタイルを売るということです。
MSPを作るには自己理解と他者理解すること
別に特別なスキルもなく、どんな凡人であっても、誰にでも自分にしかない視点や価値観、経験っていうものが必ずあります。
まったく同じ人生を歩んできた人間なんて他にいるわけもなく、自分が歩んできた人生は自分だけなんです。
それを堂々と自分の言葉で、自分の視点で語ればいいのに。
自分を偽って虚像を作ってしまったり、誰かから借りた言葉で通り一遍のことしか話ができないがために、その人が発信する情報に価値がなくなってしまうんです。
だからこそ、自己理解をまずすること。
自分は何に興味があるのか、何が好きで何が嫌いなのか、出来ること出来ないこと、理想のライフスタイル、情熱が持てること。
人生の棚卸しをして自分自身の中にある「才能」「MSPの源泉」を見つけることから始めてください。

ただ勘違いしてはいけないのは、MSPはただ自分の言いたいことを言えばいいという話ではありません。
そもそもお客さんがいないとビジネスは成立しませんので。
「自分が出来ること×ライバルが出来ないこと(付け入る隙があるところ)×市場が求めてるもの」
ここをしっかり把握しておかないとレッドオーシャンに飛び込むようなものです。
あるいは誰もいない海の中を一人で泳ぐ羽目になっちゃいますw
だからこそしっかり市場をリサーチ、ターゲットをリサーチすることをしていきましょう。
自分が参入できる市場を見つけてMSPを打ち出して自分のライフスタイルを売れば、
ノウハウや情報ではなく自分自身に人が集まってくるようになります。
MSPは一夜にして完成しない
ここまでMSPの概念についてお話しましたが・・・・MSPってすぐに完成するものではありません。
というのも「自分の理想はこれだ!」というものを作っても、後から変わることはいくらでもあるからです。
だから最初はとりあえずプロトタイプ(原型)でもいいから出してみて、
お客さんとか関わっていく中で自分のMSPってなにか?を考えていけばいいと思います。
一番やっちゃいけないのは、一人で考えすぎて世の中になにも出さないということ。
これだといつまでも自分の中でしか答えを探すことができず、迷宮入りになってしまいますw
スタートの段階で躓きたくないというのであれば、一人で悩まずに誰かに相談すること、
市場をリサーチして客観的な意見やデータを取り入れることです。
あとはいかに、表面的な綺麗な言葉を使わずに、本音で発信できるかどうかですね。
周りからの評価やライバルと比較することばかり気にして、心の奥底で本音を隠してるようだとMSPって作れません。
文字通り、自分自身を売らないといけないわけですから、
取り繕った言葉ではなく本音で語るということも意識してみてください。
まとめ
MSPとは、あなたの価値観や理念、ライフスタイルを売るということ。
なぜそれを発信してるのか?どんな想いでビジネスをしてるのか?
それを伝えるに至った背景はなにか?どんな理想の未来を体現してるのか?
ここをしっかりとプロフィールやコンセプトに絡めていけば、それだけであなたが発信する意味や理由が生まれてきます。
ぜひ参考にしてみてください。
ではでは。
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